製本工程
航空天使スコードロンキューティの製本過程を紹介します。
私、なんというかこう、割と製本好きなので(笑)学生時代から色々やってきました。
同好の士の方の目に止まり、何かのヒントになったなら嬉しいなと思うモノですm(__)m

原稿 = フォトショップDATA完成〜
 
原稿DATA画像
自宅印刷用にフォトショップ上で完成させたページDATAです。
印刷ミスを防ぐため、1枚の紙の表・裏に印刷するページをまとめて取り扱うようにしています。
ホントはココまで来るのもなかなか手間なのですが、またそれはいずれ。

〜印刷〜
 
印刷機

おれんち出版の主力印刷機・ゼロックス DocuCenter-II C-2200です。

コレのリースを決める時、何故かウチにゼロックスの営業の人が5人も、
しかも若手ではなく全員年配のエライさんΣ(@∀@;)∩が やって来ての
超説得。さらに新宿のゼロックスビルみたいとこに連れて行かれて、
ボクのデータでお試し印刷までさせてくれるという。。。。

「い、いや、、?なんで俺みたいトコにこんなに必死なんだ?」

と、焦っちゃった事が強く印象に残っています(笑)。
決算か何かだったのかなぁ。
ともあれ、性能・契約内容ともに満足しています。(^^)

先ほどのデータを印刷したところです。
本文ページは上質紙90kg使用。こちらの伊勢の紙屋さんから取り寄せています→。http://www.paper-plaza.com/
ネットで安いところを探したのですが、結果なかなかイイ紙が手に入ったのではないかと思っています。
興味のある方は是非『航空天使スコードロンキューティを買って』確認してみて下さいね(*^ー゚)bテヘヘ
カラートナーの乗りも良く、かなり オススメです!
両面印刷過程 両面刷り上がり
上下裏表間違えないように両面印刷。。。。
失敗プリント
失敗例です。表裏を間違えましたorz
静電気によるミスプリント 拡大
こちらは冬期に電源投入直後の印刷で静電気のため画像の一部でトナーの乗りが甘く、変色したモノです。
 #画像だとわかりにくいカモですが、緑迷彩の教導隊F-15が紫がかった色に。F-2も色がボケボケです。
こういったモノも失敗印刷として弾きます。

〜製本〜
 
印刷されたページを本の形に組み上げて行きます。
○紙折り
紙折り1 紙折り2
印刷したページからダーっと折っていきます。何枚かまとめて折ります。
紙折りは印刷作業と平行して行い、だいたい印刷が終わるとほぼ紙折りも終わってるという進行になります。
印刷機の動作音に急かされながら「慌てて急いで正確に」(笑)
流れ作業なので、案外楽な過程です。時には謎の妖精さんが手伝ってくれる事もw

○内カバー作成
内カバー折り1 内カバー折り2
印刷した漫画を本の形にまとめ上げるためのガワです。ずらして折って本の背を作ります。
地味に大変な作業その1です。

○カラーカバー作成
カバーのDATA 刷り上がったカバーの準備
表紙の作成です。版の大きめのA3ノビに印刷し、あらかじめ上下を切り落とし、片辺を折っておきます。
ココをいい加減にやると後で裁断の時にガタガタになるので気を遣います。地味に大変な作業その2です。

○前回までのあらすじページ
あらすじDATA あらすじ刷りだし

2巻からは前回までのあらすじが入ります。
半透明の紙はトレーシングペーパーよりちょっと厚めの第2原図用紙(コクヨ)です。
この刷り出しを半分に切って綴じ込みます。
印刷屋さんのオフセット印刷でいう遊び紙にあらすじを印刷してある感じです。

さて、ようやくコレで本の材料が揃いました(^^)


○ページ並べ替え・組み合わせ
並べ替え 組み上がり

折ったページをページ順ごとに1冊づつまとめていきます。だんだん本の形に近づいてきます(^^)。
乱丁が出ないように慎重にページ数を確認しながら作業します。
まあ、段取り通りに進めれば、そうそうページが入れ違う事はありません。多分。


○ページ綴じ込み・ホチキス締め
ページ挟み込み1 ページ挟み込み2

ホチキス綴じ

ホチキス締め
内カバーの中に並べ替えたページを挟み込み、ホチキスで綴じていきます。
綴じたホチキスは後でカバーを傷付けないよう出っ張りをペンチで潰して平らにします。
本として読める状態になりました。

○1次裁断
一次裁断

本の「小口」を裁断します。裁断大好き(笑)
なんてゆーか、
一気に「それっぽく」なるんですよね〜☆


○カバー巻き込み
カバー巻き付け カバー巻き付け2

カラーカバーを巻き付けていきます。
傾かないように、変に歪まないように、微妙な手加減が必要です(^^)
カバーを折って締める時の「ピーッ」って紙の擦れる音が快感☆


○上下裁断
地の裁断

天の裁断

本の「天」「地」を裁断します。 そして。。。

 

☆完成☆
 
製本出来上がり

出来上がり\(^o^)/

こうして手順を追って一つ一つ書き出していくと、結構大変な作業だなと思われる方も
おられると思うのですが、「自分の手の内で本が出来ていく感覚」はなかなかちょっと
クセになると思います。
 #この解説ページを作るのは個人的にはちょっと大変だったかも(笑)
また、手作りだから出来る「技」というものも色々考えられます。
この作業を通して思いついたモノもあるのでいずれ試したいと思っています。


さて、若い頃はこんな本も作ったモノです。

昭・・・いや、明和60年(1823年)の本です。
思えば私も、もう二百年近く同人誌を作っている事になるんですねぇ(呆)
あまりに古い想い出、なにせ江戸時代の話ですので、記憶の詳細は私の頭の中の霧の奥のどっかですが、
この頃は私、大坂・堺の寺子屋に通っており、弟弟子達をこき使い色んな事が出来たんだった様な気が
します。

懐かしい。。。。。

 

いや!真にうけないよーに(笑)